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『集大成』#18深澤天球

チームの集大成であったリーグ戦最終節の出場はたった10分。思い返せば高校での最後の試合もそんな感じだった。日文を相手に懸命に戦う同期や後輩をずっとベンチから見ていた。悔しいという感情はあったが、これまで積み重ねてきたものを他の選手と比べてみたらまあ妥当なんじゃないかなと納得してしまった。私の大学サッカーはそんなもんだった。サッカーに100パーセントの力は捧げられていないのだから当然の結果なのだと思った。

 

高校で辞めようとしていたサッカーも、未練たらたらで気がついたらサッカー部に入部していた。が、週5の活動は正直きつかった。もちろんやるからにはスタメンでチームに欠かせない選手になりたいと思っていたが、大学サッカーはやっぱりレベルが高くてメンバーにすら入れる気がしなかった。思い描いていたものが程遠くて、学生主体であるけれどなかなかにキツイ都立大サッカー部の活動にだんだんと嫌気がさして、何度ももう辞めてやろうと思った。今となってはあり得ないことだが、二日酔いで練習に行くこともあった。当時の私にはサッカーのために、他の楽しみを犠牲にすることができなかった。

でも結局、そもそも辞める勇気なんてなかったのだと思う。簡単に、都立大サッカー部を離れることができなかった。

どんどん活躍していく先輩や後輩、同期にどこかで嫉妬し、自分もそうなりたい、チームに貢献できる選手になりたいという気持ちを捨てきれなかった。そして、なによりも都立大サッカー部にはそれだけの魅力があった。

 

辞めることを辞めてから、本当にサッカーのために何かを犠牲にして十分に取り組めてきたかはわからない。それでも結果として、3年にしてやっと試合にも絡めるようになって、4年ではわずかではあるがスタメンでもチームのために貢献する機会をもらうことができた。ただ、ラストシーズンに怪我で半年を棒に振り、最後の最後にレギュラーから外れてしまったが、それらもすべてこれまでの積み重ね、行いの結果なのだろうからしょうがない。最後はたった10分。それでも、自分の14年ものサッカー生活の集大成を披露するチャンスをもらえたのだから、それだけで満足だった。だから自分の大学サッカー生活に後悔はない。

 

これから都立大に入学してサッカー部に入ろうか迷っている新入生がいるならば、とりあえず入部してみればいいと思う。都立大には本気でサッカーをするための十分な環境がある。きっと嫌になるほど毎日を一緒に過ごす仲間もたくさんできると思う。そんなところに身を置くだけでも大学生活はきっと充実したものになるのではないだろうか。

 

同期へ

嫌気がさすほど一緒にいる時間が長かったけど、このメンバーで4年間を過ごすことができて最高でした。本当にありがとう。

 

東京都立大学体育会サッカー部の今後の更なる発展をお祈り申し上げます。