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『都立大サッカー部員としての総決算』#7杉村蒼士

2020年から世界を襲ったパンデミックによって、各地で強力な規制が行われた。都立大も例外ではなく講義はオンライン化され、講師と生徒は前例のない問題への対応に迫られた。そんな中、施設不使用を根拠とする学費返却問題や講義への不満など、多くの問題が生じた。

 個人的には、何の問題もなく学習を進められた。オンライン講義に肯定的な先輩も多く、自分の満足度は高かった。しかし、オンライン化によって新入生は人間関係の構築に苦労したことは事実であろう。この困難に対して、新入生はSNSを活用し人間関係を築いていた。

 

 SNSをあまり使わない自分は、部活動に参加することで孤立を避けることができた。体育会ということもあり、真剣にサッカーに取り組む同志と大学生活を過ごすことができたのは、大きな財産になった。たまに集まれたら楽しいだろう。

 サッカー部での4年間では様々なことを学んだ。特に、組織に対する考え方に強い影響を受けた。チームとしてベストな活動をしていくために何をすべきなのかを考えるようになった。自分だけに焦点を当てても、サッカーではうまくいかない。自分と味方の特性を理解し、自分のプレーを最適化していくことは最重要である。ある程度の積極性を持ちつつ、組織の中での自分の役割を理解し、行動することが求められる。この姿勢は、常に意識していこうと思う。

 

 次に、自分の大学生活のテーマであった「主体性」について書いていく。私は大学では、「自分」という主語を持ち、生活するように心がけていた。自分がしたいことを常に中心に置くことを意識し、学習・部活を行ってきた。自分の行動に自分なりの「意味」を設定し、自分の叶えたいことに近づけるようにしていた。大した成果を残すことはできなかったが、人としての姿勢を矯正していく意識を持てたと感じている。

 もちろん失敗は多く、不安や無気力は常に身近に感じていたし、何となく時間を無駄にしたことも多い。その度に、自分の物事に対する姿勢を見直してきた。

 こんな偉そうなことを書いているが、現在でも自分は全く理想的な「主体性」を持つことはできていない。まだまだ寿命は来ないと思うので、これからも頑張っていこう。

 大学四年間は、本当にあっという間であった。入学当初の自分は、今の自分をどう評価するだろうか。悪くない評価を期待したい。

 

 

 最後に、家族への感謝を書く。自分は常に家族に支えられて生きてきた。これからもそうだろう。私は、充実した大学生活をおくることができたと思っている。自分が自分に言い訳をして、目の前の問題から逃げようとしていたとき、必ずそのことに気づき、叱咤激励をしてくれた。この家に生まれて良かったと本気で思う。生んでくれてありがとう。生まれてきてくれてありがとう。これからもよろしくお願いします。