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『スタートライン』#13崎谷亮太

 はじめに日頃より東京都立大学体育会サッカー部の活動にご支援くださる保護者の皆様、OBの皆様、関係者の皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。今後とも、ご支援・ご声援の程よろしくお願いいたします。

 

 

引退した今、心の底から充実した4年間を過ごせたと感じています。中々上手くいかないこともありましたが、試合に出た時や勝った時の喜びを経験できたのは1人のプレーヤーとして幸せなことでした。そしてそのような経験を味わわせてくれたバシさん、大久保さん、先輩方、同期、後輩の皆には感謝しかないです。おそらくこれほどの熱量を持って、真剣にサッカーに取り組むのは、大学が最後になりますが、その4年間を都立大で過ごせて良かったです。

 

 

 

1年生の時はコロナ禍での始まりでした。最初にグラウンドに行ったのが、10月というのは今では考えられないです。そしてすぐに骨折し、大学サッカーの洗礼を受けました。数試合でしたが、リーグ戦の雰囲気を感じることができ、1年生ながら出場していた同期には刺激をもらいました。

 

 

気が付いたら2年生になっていました。迎えた開幕戦。色々な偶然が重なって初めて公式戦に出ることができ、4-0リードの中での途中出場だったので、あまり緊張せずに試合に臨め、ものすごく楽しかったことを覚えています。高校の時は全く試合に出られず、自分の中でどこか応援することが当たり前になっていたので、試合に出られる幸せを感じることができました。それ以降はあまり試合に絡めず、ベンチに入っても、控えのGK90分間アップをすることが続き、悔しさが募りました。ただ短い時間でも試合のレベルを肌で感じることができ、自分にとって大きな1年だったと思います。

 

 

勝負の3年生。スタートから出してもらう試合もありましたが、本当に自分の力の無さを実感しました。ほとんどの試合で何もできず、個人的に一番キツい1年間でした。特に22節の都留文戦、チーム事情もありましたがメンバーから外れ、人数制限もあったので会場にも行けませんでした。自宅から試合のインスタライブを見ている時にあと数週間で最高学年になることに、危機感しかありませんでした。この1年間で感じた不甲斐なさ、危機感が次のシーズンの原動力に繋がったと思います。

 

 覚悟の4年生。出場時間が増え、負けたら自分のせいと思いながらプレーしていました。やはり試合に出るということには相応の責任が伴うと思います。自分のプレーでチームを勝たせたかったですし、だからこそ自分が得点した時は、点を取れたことよりも周りのチームメイトが喜んでくれていたことの方が印象に残っています。サッカー人生の最後に充実した1年間を送ることができました。

 

 

そしてこの4年間を通じて改めてサッカーの楽しさを実感し、人として成長できたと思います。サッカーを通して感情が揺さぶられることが何度もありました。明確な指導者がいない中で、学生の力で組織を動かす経験は貴重なものでした。このチームの一員としてプレー、活動できたことは自分にとって一生の自慢です。

 

 

最後に4年間を振り返って後悔はないです。こういう文章は大体、「もっとやればよかった」とか、「あの場面こうすればよかった」とか書いて終わることが多いですが、そんなものはないです。出来る限りのことはしました。試合に出て、通用しなかったことの方が多かったですが、それが自分の実力でした。もしこの部活が今年で無くなって、自分たちが最後の代だったら後悔していたかもしれません。でも都立大サッカー部は今後も続いていくと思いますし、素晴らしい123年生がいて来年、そしてその次以降も大きな結果を残してくれると信じています。

 

 

 

小学校から始まり、中学、高校、大学と、僕のサッカー人生に関わってくれた方々、そして両親、本当にありがとうございました。サッカーを通じてたくさんの方と出会い、かけがえのない時間を過ごすことができました。この経験を胸に、これからも力強く生きていこうと思います。