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『巡り合わせ』#6髙橋勇人

202210236歳から始めたサッカーに区切りがついた.

今までを振り返ると、周りの状況や環境に恵まれとても運が良かったと感じているそして,その運がとても重要だった.

 

小→中で引越ししたこと、入ったクラブがそこそこ強かったこと、怪我人が出てから試合に出続けられたこと、高1から試合に出れたことなど自分の力が働かないところでも自分の良いように作用したことが多かった.

 

新潟県の下の方の田舎でサッカーを始めて、下手くそだったのにも関わらず、引っ越し先の新潟市内で部活ではなくクラブに入った。クラブ入団も、たまたま部活の体験がひどくつまらなかったことや体験に行ったクラブがちょうど立ち上げの年で誰でも入れたことが重なった.

ただ,1では公式戦に1度も出られなかったし、上手い周り(後に選手権ベスト8)についていくのがやっとだったそれでも,中2途中で普段スタメンの1人が怪我をして,12番目の僕が試合に出れるようになった.そこから3年の最後までほとんどの試合出ることができた.

 

高校では入学当初は練習試合もほとんど出られなかったが最初の選手権予選はなぜか3年生の先輩とボランチを組んで試合に出ていたし,その後もほぼすべての試合に出ることができた.

 

大学でも2年途中から試合に出ることができた.これもメンバーを少し変えてみようとなったあるリーグ戦からほぼすべて.

 

何が原因かは明確にはわからないし,そうなるように特別な努力をしたわけでもない.自分が特別優れていたわけでもない.ただ,運良くってきたチャンスをうまく掴み,手放さなかったのは間違いない.

 

もちろん,運だけだったとは思っていない.

年代が上がるにつれて,客観的な評価ではないにしても技術は向上したし振り返り,研究し,何より考えることが増えたことでサッカーがうまくなった(と思う).伝えるのは絶望的に下手だったけれど,それでも自分の考えていることを言語化できるようになった.それなりの実力はついていて,敵わないと感じることは少なくなった

 

大切なのは,

それなりの実力に運が巡ってくること,そして,巡ってきた運を手放さないこと

だと思う.

運が先ではなく,実力が先.

実力が飛び抜けているに越したことはないが,現状はきっとそうじゃない.大学に限って言うならば,これから大幅に上がることもない.ただ,チームを代表する11人になるならばそれなりに実力は必要である.

また,そんな中で公式戦に出るチャンスが巡ってくる選手は必ずいる.けが人が出れば1つ繰り上がり,ベンチに入れば7人のうち5人はほぼ出られるはず.慣れていないと緊張するし,きついし,大変なのは十分わかっている.それでも,巡ってきたチャンスにしがみ付く必要がある.同じ熱量の仲間と戦えるのはきっと大学が最後で,公式戦に出て得られるあの瞬間がすべてだと思う,だからこそ,そこに賭けてほしい.

 

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一番充実していたの確実に大学サッカーだった.

 

選手としてだけではなく,戦術等を考える役割は初めてで新鮮だったし,何より僕にあっていた.

同じ熱量を持つ仲間とできるのも大学が初めてだったと思う.

あのヒリつく感覚を,緊張感を,高揚感,熱量を味わえるのはやっぱり公式戦だけった

その公式戦で,

1vs1でボールを取り切った瞬間,点を決めたときに集まる瞬間,クソ試合でも勝ち切った瞬間,信じられないくらい圧勝した瞬間.

どれをとっても最高で,僕の大学サッカーは最高だった.

 

これから先あの熱を感じられるほど本気でやることがないのは寂しいけれど、たまたま誘われて始めたのがサッカーで良かった

本当かどうかは分からないけれど、体感では人生の半分は20歳で終えているらしい。そんな人生の半分以上でサッカーをすることができて本当に幸せだった.

 

 

最後に今まで僕のサッカーを支えてくれた家族、各年代の指導者の方々や顧問の先生方,先輩後輩,多くの時間を過ごした同期,その他関わった大勢の方々、ありがとうございました。

 

サッカーするのも見るのも大好きなので,もちろん応援行きます。

都立大サッカー部の今後に期待しています.

 

2022シーズン副主将 髙橋勇人