『覚悟』#31浅見俊輔

まず、石橋さんや大久保さん、湯浅さん、琳星さんを筆頭に、伸び伸びとサッカーを楽しめる環境作りに協力してくださった皆様に感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。

 

早速本題に入らせていただきますが、現役選手はサッカーにどれだけ時間を割くべきでしょうか。

 

ふと、こんな疑問が自分の中で浮かんだ。

毎日の練習で少しずつ上手くなって、ある程度試合に出られれば幸せだったのかもしれない。

 

いきなり問いの答えを出すとただの分かりやすい文章になってしまうので、私の大学サッカーの振り返りとともに考えていただきたい。

 

私は、都立大に入部するまで、試合中に足でボールを扱うことなんて一試合に一回もなかった。経験値がちょっと多いだけの、運動不足で足元が下手なキーパー。ビルドアップのビの字すら知らない。なんなら高校2年生だったか3年生の時は、部で行なった身体能力テストではチームワースト2位だった。

 

長所より短所が多すぎる。入部当初はそんな選手だった。

 

そんな自分がなぜ2部リーグでスタメンを飾れる選手になれたのか。

 

思うに、時間を大量に割いたからに他ならないのではないか。今考えても1,2年生の時はどこからそんな時間が湧いてきたのか分からない。分からないが、とにかく時間をたくさん割いた。特に2年生の時の金曜日なんて、日付が変わる直前にオンラインの課題を提出し、すぐにジムへ行って筋トレとラントレをこなしてた。

 

無茶とも思えるが、こうやってサッカーのために費やした時間が3,4年生になって結果を出す手助けになったのだろう。

 

しかし、このように時間を割くほど上手くなれると実感しているからこそ、もっと時間を割くべきだと反省してる点もある。

 

フィジカル面の改善に対し、ビルドアップの改善にはそこまで時間を費やさなかったのだ。

 

ラストシーズン、都立大サッカー部はビルドアップを捨てるサッカーを選んだ。そこには、間違いなく自分の実力不足が大きく響いている。そのせいでフィールドプレイヤーに大きく負担をかけるサッカーを、チームに強いてしまった。

 

では、なぜ尽力できなかったのか。単純なことで、苦手なことから逃げたから。

自分の弱さのせいで、チームに大きな負担をかけてしまった。

 

人に偉そうなことを垂れておきながら、チームの根幹にまで支障をきたす存在になっていた。迎えたラストシーズン、ビルドアップなんてほとんどやらずに終わってしまった。

 

私の大学サッカーの振り返りは以上とさせていただく。

ここで、文頭の「現役選手はサッカーにどれだけ時間を割くべきか」に対し、私なりに答えを出す。

それは、「引退した時に自分をどれだけ誇りたいか」だ。

 

今あなたのしてる努力は、自分が引退した時に誇らしく思えるものなのか。明日突然サッカーができなくなるとして、それまでの過程に満足して終わりを迎えられるのか。

 

私は気分屋で練習の雰囲気作りには何の貢献もできてない。だが、皆の得点が少しでも結果に結びつけば良いと、ある程度はチームを支えられたと思ってる。

 

中には、自分でそういうこと言うのかよ、と思う方もいるだろう。しかし、自分で断言できるそれこそが、貴方の誇れるものなのではないだろうか。

 

この結論で言えば、私はもっと時間を割くべきだったと思う。私はもっと誇らしい私でありたかった。苦手へ向き合う時間を増やし、惜しげもなく自分を誇りたかった。

 

だからこそ、現役の皆さんには、引退後に誇れる自分を目指して努力して欲しい。点が取れなくても、試合に出られなくても、都立大サッカー部で必死にもがいた自分を誇らしく思えるなら、それ以上に大事なものなんてない。

 

どうか、都立大サッカー部に入り、4年間をサッカーに費やした全てのサッカーバカたちが報われることを祈り、私のI willとさせていただきます。




 

浅見 俊輔