『青年期の終り』#8筒井康太郎

『世界はいまや彼の意のままだが、さて何をするかとなると、決心がつかないのだった。だが、そのうち思いつくだろう。』

 

引退して一気に暇になった時に頭に思い浮かんできた一節。三月も中旬に差し掛かる今、改めて引退してからの日々を振り返ってみると、特に何をしたわけでもなかったなと思う。

 


現役のときはあれだけ引退後の自由な日々を夢見ていたのに、実際引退してみたら気楽で楽しいことは楽しいけど、圧倒的に刺激が足りない。インスタに上がっている練習風景を見て、またサッカーしたいなぁと思う日々。大学サッカーを100パーセントやり切ったと思えていたらこんな気持ちにはなっていないのではないかと思う。

これを読んでいるのは、ほとんど都立大サッカー部の後輩だと思うけど、みんなには大学サッカーやり切った、もうサッカーはやりたくない、くらいの気持ちで後悔なく引退してほしい。週五で、綺麗な人工芝の上で本気でサッカーに取り組めるのなんて間違いなく大学が最後だから。



自分自身1.2年の頃は、入部したはいいもののあんまりモチベーションが高くなく、なあなあで日々を過ごしていた。流石に三年になると危機感をもって、練習にもちゃんと取り組むようになったし、食事にも気を使うようになった。でも、それを1.2年のうちからやっていれば、もっと試合に出られたのではないか、もっと点を取れたのではないかと思う。いや、絶対出られたと思う。最終シーズンも前期東工大戦に向けての練習中のプレーがひどすぎて前日にスタメン外されたけど、あの週調子が良ければ個人として全然違うシーズンになっていたと思う。最後の日文もああいう形で出場してひどいパフォーマンスをして、交代した大陽にも、試合に来られなかった出と浅見にも本当に申し訳なかったと思う。

 


こうやって振り返ってみると大きなものから小さなものまで色々と後悔したことがある。自分が煮え切らない状態で終わってしまったからこそ後輩たちにはなるべく後悔が少ない状態で引退してほしい。怪我とか、周りとのレベル差とか、選考への不満とか、モチベが上がらない原因は人それぞれ色々あると思うけど、四年間終わってモチベ低いままやった練習や、モチベ低いまま出た試合を振り返ると本当に無駄な時間を過ごしたと後悔することになると思う。綾南戦の三井寿みたいに。

自分もそうだけど、大学に入学して、周りが遊んだりバイトしたりしている中でわざわざ体育会でサッカーする奴なんかどうあがいてもサッカーから離れられないんだから後悔なくやり切った方がいいに決まってる。これ読んでみんながどう思うかはわかんないけど、自分はやれることすべてやってるって思える人は少ないと思うし、そう思っていても絶対まだ詰められる部分があるので『自分にベクトルを向けて』頑張ってください。

 




最後に同期のみんな一緒にサッカーしてくれてありがとう。特に雄士には感謝してます。散々いじった手前、直接言うのは恥ずかしいんでここに書くけど、1年の5月くらい、サークル入っても微妙になじめず、でも部活入るには時期を逃したかなーと思っていたころ雄士に「そんな暇ならサッカー部入れば?」って言われて、入部する決心ができた。雄士としてはそんな勧誘のつもりもなく、軽い気持ちで言っただけだと思うし、もう覚えてもないと思うけど、俺としてはその一言ですごく背中を押された気になった。その何気ない一言のおかげでこんなにも充実して楽しい日々を過ごせた。ありがとう。

あともう一人感謝を伝えたい「ゆうじ」がいます。お父さんお母さん長い間サッカーをやらせてくれてありがとうございました。



 

じゃあみんなキチットヤレヨー



筒井康太郎