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『自分を生きる』#80 犬飼悠吾

俺はトップダウンで逆算して計画を立てて物事を考えるタイプではないので書きたいことを考えながら書く。

 

そもそも逆算できたら卒留なんかしてない。そう、俺のこと知ってるやつは大体知ってると思うけど俺は今年卒業できない。単位が足りなかった。まー足りなかったというか一年の時の怠惰が祟って卒業要件の単位数に届かなかった。この話を長々とする気はないのでこの辺で。

 

 

ということでサッカーの話をする。まー結論から言うとこの3年間は楽しかったっちゃあ楽しかったけど、充実はしてなかったと思う。なんでかっていうのをこれから長々と説明する。

 

俺がなんで体育会サッカー部に入ったか。サッカーが好きだったから、それもある。でもそれが一番じゃない。一番の理由としてはかけたコストに対して満足のいく結果が欲しかったからだ、と今振り返って思う。

 

多分高校の時スタメンでバリバリ活躍してたら入部してなかったかも。高校3年間をベンチの外で終えた俺はその3年間の努力をどうにかして精算したかったのよね。だから俺はサッカーがやりたいからサッカー部に入ったのではなく公式戦に出てバリバリ活躍して俺カッケーってなりたいから入部した。

結果から言うとそれは果たされることは無かった。純粋な実力不足。やービデオで客観視できるって残酷なもんで嫌でも自分が下手って思い知らされるね。辛いね。

 

要は入部の目的は自己実現であってサッカーはその手段でしかなかったわけ。あ、別にこれ自体はそんな悪いことじゃないよ。一つの行動をとっても人それぞれ色々な動機や考え方があってしかるべきだしね。どんなクソみたいな目標であれ、ないよりはマシだ。

 

 

ここで冒頭のトップダウンの話に戻るんだけど、俺は目標から逆算して計画的に努力することができない。長期的な視野で捉えることができないからすぐに結果が出ないもの、例えば持久走とかリフティングとかそーいった地味ーなトレーニングを継続して行うことができない。

 

これもあくまで性質の話であって、こういった長期的な目標だとモチベが続かない人間でもやりようはいくらでもある。例えばリフティングひとつとっても、技を一つできるようにするみたいな短期で達成可能な小目標を立て続けることによって結果的に技術を身につける、とか。

 

 

俺の一つ目の問題は自分の性質に気付かずその性質に合ったアプローチをしなかったこと。頭を使うことを怠って努力することができなかった。やりたいことだけやって言われたことをこなすだけ。

 

 

そしてもう一つ、最大の問題があった。それはトレーニングの意義をサッカーの技術の向上のためではなく、認めてもらうためのパフォーマンスと捉えてたこと。だから正直嫌いなトレーニングはキャプテンとかコーチが見てない時に適度にサボってたし、それに気づいてた人もいたと思う。才能が無い上にこんな態度でトレーニングにのぞめばそりゃ身につくもんも身につかんよね。

 

かくして頭も使わず、真摯にトレーニングに向き合うこともなかった俺は入部当初の目標を果たすことなく3年間の部活生活を中途半端なまま終えてしまった。

 

今思い返すと俺は当時「サッカー」自体はそんな好きじゃなかったんだと思う。ヨーロッパサッカーに詳しいというキャラのため、今までコストをかけた理由をでっち上げるため、あくまで自己実現の手段のために「サッカーが好き」って言ってた節は間違いなくある。

 

サッカーが好きだから楽しめればそれでいいという自分像を作って、公式戦で活躍してRITZの女の子にワーキャーいわれたいだけの本当の自分に向き合わなかった。だからこそ中途半端な努力しかできなかったし、サッカーに対してもそんなに好きじゃないから理解を深めようとしなかった。

 

部活を辞めて一年以上が経った今改めて俺はサッカーが好きになった。試合に出るわけでもないのに毎日1人で公園に行きボールを触る。誰に見せるでもないのにプレミアやラリーガの試合を見ては分析ノートを記入する。今はただひたすらに技術を磨きたいし、サッカーのことを深く理解したい。部活をやめてサッカーが自己実現の手段として機能しなくなったからでもある。だから今俺は人生で一番「サッカー」というコンテンツに真摯に向き合えてると思う。多分だけどこれが本当に「サッカーが好き」ということだ。

 

と綺麗に締めくくりたかったんだけど、各方面からそんなことしてる場合じゃないだろ、シューカツしろ!って声が聞こえてきたので就活します。

 

南野のゴールでチェルシーの連勝が止まって辛い。

ブルーピリオドは最高。