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「未来の部員たちへ」 奈良朱子

こんにちは!

昨年まで4年間首都大サッカー部でマネージャーをしていました、奈良朱子です。

この「I will…」は、もうチームにいないわたしたちが、まだチームにいない新入生にバトンを渡せる貴重な場所です。

この場を作ってくれた広報班ありがとう。

そして読んでくださる、いつも応援してくださる皆さま、ありがとうございます。

今回は未来の部員に向けて書きますね。

 

 

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます!

そしてサッカー部に興味を持ってくれてありがとうございます!

これまでの卒業生の「I will…」は読んでいただけましたか??

すごく重みのある文ばっかりでしたね。

同期ですがとても尊敬します。

サッカーを4年していて、どうしてあんなに組織への思いが強くなったのか。

今回は皆さんへ、特にマネージャーになるか迷っている方へ向けて、

首都大サッカー部の4年間をわたしの言葉でお伝えしようと思います。

 

 

ありがたいことに、わたしは首都大サッカー部の歴史のなかでも激動といえる4年間を過ごすことができました。

チームの4年間をざっくり振り返ると、

 

1年生(2015年)

「組織として機能していなかった1年」 

東京都2部リーグ10位・3部降格

 

2年生(2016年)

「3部リーグというぬるま湯につかりながらも、チーム感を徐々に取り戻した1年」 

3部リーグ2位・2部昇格

 

3年生(2017年)

「組織の土台作り、歯を食いしばった1年」 

2部リーグ7位・2部残留

 

4年生(2018年)

「構築の1年・次に繋げるべき1年」

2部リーグ7位・2部残留

 

こんな感じです。

 

 

個人的な4年間をざっくり振り返ると、

 

1年生「サッカーを知った」

1年生のシーズンオフ「プレイヤーの思いを知った」

2年生「チームのためにできることを探し始めた」

3年生「チームのためにできることを全力でやった」

4年生「チームと共に生きた」

 

こんな感じです。

 

 

4年前のサッカー部は、行き当たりばったりで組織を長い目で見るということがないチームでした。結果3部に落ちてしまいましたが、その年のシーズンオフ、部員間で「これじゃないよな」という危機感を共有できました。

 

翌年3部で戦ったリーグ戦は特に刺激がないまま2部昇格。

しかしその一年はチームにとって貴重な時間で、「このリーグでは満足できない」「自分たちの手で変えていかなければいけないんだ」「このチームに足りないものは何なのか」と考えることができるようになりました。

 

個人的に首都大サッカー部が生まれ変わったと感じるのはその翌年、わたしが3年生になったときです。

実績がなく、前期9試合中1勝しかできなかったこのチームが2部で生き残るためには、とにかくチームとして頑張る必要がありました。

「チームのために尽力」キャプテン仲間の熱い言葉に毎日心を震わされ、これが全員当たり前にできるようになったのがこの年です。

するとだんだん応援されるチームになっていき、リーグ戦の観客席も沢山の人で埋め尽くされるようになりました。

この年の最後の試合はまさに集大成で、会場が一体となった劇的な勝利で2部残留を決めました。

 

 

そうして昨シーズン。

土台の上に組織を構築し始めた年でした。

分析・医療・広報・事務の4つの班分けによってピッチ外の充実を図り、一人ひとりに責任ができました。

チーム力が高まったことや、戦術等の頭を使った対策で、前期リーグは3連勝という幸先のいいスタートでしたが後期リーグで失速し、最終節を待たずに目標の『2部優勝』には遠く及ばないことがわかりました。

この年の最終節、キャプテン湊はその試合を「襷(たすき)」と名付けました。

スコアレスドローで終わった試合後、4年間チームを導き続けた代表・仲間はみんなの前で「今のチームらしい試合だった」と言い、他の4年生は泣きそうな笑顔で頷いていました。こうして悔しさを噛み殺しながらわたしたちは後輩たちに未来を託し、たしかに襷を渡しました。

 

 

 

首都大サッカー部は伸びしろだらけです。

先ほど「激動の4年間だった」と言いましたが、激動はこれからも続かせなければいけないと思います。

たしかにこのチームは4年で生まれ変わりましたが、もっともっと上にいけます。

プレイヤーもマネージャーも、このチームに必要なのは「チームを作っていこう」という気持ちがある人です。

小さなことでいいんです。受け身にならずに自分で考えて作っていく気持ちさえあれば大丈夫です。

 

わたしが今でも忘れられない言葉が、同期の湯浅が部員ブログに書いていた

『いくらでも言い訳は転がっている中で、どれだけ歯を食いしばって取り組めるか』

という言葉です。

大学サッカーにおいてはこれが全てだと感じます。

 

 

マネージャーに関して言えば、

わたしがこの4年間で一番感じたのは

『マネージャーの仕事は選手のサポートですが、それが目的ではない』ということです。

目的は、チームで勝つことやいいチームを作ること。プレイヤーと一緒です。

そのためにプレイヤーはサッカーを頑張り、マネージャーはそれをサポートする。

ピッチ外ではいい組織について一緒に考える。

この目的を理解していると、週5〜6回の活動も同じことの繰り返しではないし、飽きることは絶対にありません。

常に周りを観察して自分にできることを探しながら、もっと良いやり方がないか、もっと組織に貢献する方法がないか頭を使います。

わたしは4年間、「今日は満足!」と感じたことはありませんでした。チームを支える・マネジメントするというのはとても難しいことです。

それでも大変だと感じたことはありません。

4年間原動力となったのは、チームへの愛だと思います。

今これを読んでくれた方には、ぜひグラウンドで現役部員たちとお話ししてほしいです。

後輩たちはこの半年、更にサッカー部を多角化させてくれました。

「I will…」を書いた卒業生たちに通ずるパッションがたしかにグラウンドにあるはずです。

次にわたしがリーグ戦の応援に行ったとき、グラウンドで共に戦うマネージャーが見れるのを楽しみにしています。

 

 

そして、

大好きな首都大サッカー部員たちへ

尊敬と愛に満ちた4年間をありがとう。

このチームの一員だったことを誇りに思います。

「首都大サッカー部出身」という肩書きに恥じないよう、わたしも新しい環境で貪欲に挑戦を続けていきます。

 

I will…

2019年4月

奈良 朱子